夫が幼い子を連れて別居したが、妻が子の引渡しと監護権を求め、獲得できた事例【離婚解決事例61】
幼い子がいる夫婦 依頼者は妻
夫婦の間で家計をめぐって対立が生じた。
そのような状態で夫が妻に無断で幼い子どもを連れて家を出た。
妻は夫に対し、監護者指定・子の引渡しの審判を申し立てた。
夫は代理人をつけ「子が妻を怖がっているので監護者として不適切である」と主張し争う姿勢を見せた。
妻は、夫が代理人をつけて正面から争う姿勢を見せたため不安になり、当事務所に相談、受任することとなった。
裁判所が、妻と子の交流場面を観察する調査官調査を実施した。
その結果、交流場面観察において、母子の親密な関係性が見られ、また、別居前、ほぼ妻がひとりで育児にあたっていたこと等を理由に、妻を監護者と指定することが望ましいとの意見が調査報告書で述べられた。
この調査報告書をもとに、裁判所から、夫に対し、子を妻に引き渡すという解決案が提示されたが、夫はこれを拒否した。
そこで、裁判所が審判をすることになり、子の監護者を妻と指定し、子を妻に引き渡すよう命じる決定がなされた。
子は妻の元に戻り、後に夫婦は子の親権者を妻として離婚をした。
コメント
夫が子を連れて家を出る前は、専業主婦である妻がほぼひとりで育児をしており、母子関係も非常に良好でした。
しかし、審判手続において、夫側は「子が妻を怖がっている」と主張し子を引き渡さないという主張をしてきました。妻は、子が自分を怖がるはずがないと思いながらも不安になり、弁護士に相談に来られました。
相談に来た当初は、夫側の「子が妻を怖がっている」という主張を真に受けて、すっかり弱気になっておられました。
まず、弁護士がこれまでの育児の状況を確認し、同居中の妻の育児には何ら問題はないこと、夫側が主張する「子が妻を怖がっている」ことが本当かどうかわからないこと等を説明しました。話しているうちに、妻も冷静さを取り戻し、これまでの育児の状況を思い出し、落ち着いて夫の主張に対し反論をする準備ができるようになりました。
調停や裁判では、相手方からの書面を見てショックを受ける方が少なくないです。
事実と異なることが記載されているような場合でも、中には、自分の記憶違いで本当はこうだったのかも…と認知のゆがみを生じてしまう人もいます。
そのような場合は、冷静さを取り戻すため、まず、弁護士等の第三者に相談することをおすすめします。
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