離婚を求める有責配偶者から極めて有利な経済条件を引き出した事例【離婚解決事例55】
既に子どもらが成人している熟年夫婦間の離婚事件で,依頼者は妻側。
別居後2年ほどして夫の代理人弁護士から離婚請求を受けたことから,協議段階から受任することに。
別居の原因は夫の不貞にあり,別居前に探偵の調査報告書も得ていたが,夫を有責配偶者とするにはやや不十分な証拠であった。
依頼者は離婚するのであれば夫が相続した,つまり財産分与の対象外の不動産を取得することが絶対条件であると考えていた。
しかし,夫はこの不動産には2億円もの価値があるなどとして折り合いがつかず,結局,夫が申し立てた離婚調停も不成立となり,離婚訴訟へと進んだ。
訴訟では,やはり夫は不貞を争ってきたが,主張立証に工夫を凝らすことによって,離婚請求の認容が見込めない状況に追い込むことができ,最終的に,懸案となっていた不動産を子どもらに生前贈与するなどを条件とする訴訟上の和解に漕ぎ着けた。
コメント
こちらにも「弱点」があり訴訟では慎重な対応が求められましたが,何とか優位な状況に持ち込むことができ,どうしても離婚したい夫から,極めて有利な条件を引き出すことができました。
立場の優位性を強調して,付随的な条件でも譲歩を夫に求めましたが,妻の住居も夫名義であったため,懸案の不動産もろとも第三者に売却されるリスクもあったため,ある程度の条件で和解を成立させました。
相手方を確実に有責配偶者とすること,その上での和解の落としどころの見極めの,それぞれ難しさと大事さを感じさせられた事件でした。
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