養育費の減額を求められた調停で,双方にとって望ましい総合的な解決ができた事例【離婚解決事例42】
30代の元夫婦で,妻が依頼者。
協議離婚が成立したものの,その数か月後に,転職により収入が減ったなどとして元夫が養育費の減額を求め,ほどなくして代理人弁護士を立てて調停が申し立てられた。
離婚時に離婚協議書が取り交わされたが,養育費についてはその一部を双方が拠出するなど特異な取り決めとなっていて,また,財産分与に関しても,保険を依然として共有財産であるとして子どもの養育のために使用するなどとされており,未完了感が残る内容となっていた。
そのため,元夫は財産分与の調停をも申し立ててきて,この保険の清算なども迫ってきた。
調停の途中から代理人として介入し,主張書面で法的な主張を展開するとともに,期日間に相手方代理人と協議を重ねた結果,算定表による水準を大幅に上回る取り決めとなっていた養育費はある程度減額に応じた一方で,双方が一部拠出するなどの取り決めを撤廃し,また,保険は依頼者に全て帰属するものとするとともに,共有名義であった自宅マンションも依頼者の単独名義とする調停が成立した。
コメント
せっかく詳細な離婚協議書を当事者間で作成したものの,その文言や内容に不明確な点が散見され,そこを突かれる格好で紛争になりました。
最初のころは,条件の開きが大きく,調停が不成立となり,審判へ移行することが危ぶまれましたが,元夫の代理人の尽力もあって,結果的には,双方にとって望ましい解決となりました。
不完全な離婚協議書を手直しして,あるべき離婚条件に改定されたという見方もできるものでした。
離婚時に当事者間で,かなり複雑な取り決めを工夫して離婚協議書を完成させましたが,その工夫があだとなって,法的には様々な疑義が生まれる結果になってしまいました。
離婚協議書の見本や例,書式などはインターネット上にたくさん示されていますが,弁護士に作成してもらう,あるいは少なくとも弁護士にチェックしてもらう重要性を再認識させられたケースでした。
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