離婚する場合に学資保険について気をつけるべき点-その2 2016/9/7

 

コラム 76  離婚する場合に学資保険について気をつけるべき点-その2   2016/9/7

 

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前回にひきつづき,学資保険にまつわる実践的なお話です。
コラム 74 離婚する場合に学資保険について気をつけるべき点-その1  2016/08/30

学資保険の契約者は夫婦(つまり父母)のどちらかであるのが一般的です。

離婚後も学資保険を存続させる場合は,どちらかの契約名義とすることになりますが,この学資保険を引き継ぐ人(通常,その子の親権者です)が契約者ではない場合は,契約者の変更をしておくのが望ましいです。
元々相手方名義になっていて,相手方がこれからも保険料を負担してくれるような場合や保険料の支払を前払しているような場合は,保険の契約者を変更しないで済ます夫婦もいます。
しかし,これはとてもリスキーです。
名義変更をしていない以上,満期を迎えても,自ら満期金を保険会社などから受け取ることはできず,いったんは契約者である相手方が保険金を受け取ることになります。
この相手方から実際に受け取ることができるかどうかは,相手方の属性や経済状態によりますが,何らかの事情から相手方が保険金を自分のものにしてしまうリスクはゼロではないケースが多いです(また,途中で解約されてしまうリスクもゼロではありません)。
そのため,離婚に際して,学資保険の契約者を変更しておくのがやはり安心です。
保険料の負担を強いられる可能性が高まりますが,それでも確実に自分のものにするためには,契約名義の変更をするに越したことはありません。

ただ,この契約者の変更には,元々の契約者の協力が必要となります。
たとえば,ゆうちょ銀行の学資保険では,印鑑登録証明書を添えて,原契約者本人の署名と実印による押印を所定の手続書類(上記の画像は現物です)に行う必要があります。

しかし,ふたりの関係性いかんによっては,そのような協力を得ることが難しいこともあります。
そこで,事前にこの手続書類を送付するなどして,離婚届の取り交わしの時や離婚調停の成立時に裁判所で受け取っておくのが手堅いです。
後々まで問題を残さないためには,周到に準備を進めていく必要があるところです。

弁護士 大川 浩介

 

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