子どもをめぐる調停や審判が長期化している? 2016/1/27

 

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養育費や親権,面会交流や子の引渡しにまつわる調停や審判の事件が長期化しているそうです。 平成26年の平均審理期間は約6か月で,この10年間で1か月強ほど延びているとのこと。また,養育費をめぐる問題よりも,面会交流や子の引渡しに関する問題のほうが審理が長引く傾向にあるとのことです。これらの事件の申立件数も増えています。

このような傾向を,最高裁は,少子化の影響も手伝って,子どもをめぐる感情的対立が先鋭化していると分析しています。

私の事務所では,このような子どもにまつわる調停や審判を絶えず何件も抱えている状況にあります。
調停や審判となっているということは,本来,協議ではまとまらなかったということですから,それほど簡単には片づくわけがないとも言えます。

もっとも,多くのケースが半年前後の時間がかかるというわけではなく,あっさりと解決するケースと半年を優に超えるような難航するケースに別れ,その結果,平均すれば半年前後に落ち着くといった感じでしょうか。
ただ,この10年間で1か月ほどしか延びていないということであれば,「長期化している」と言っても,それほど大きな変化はないとも考えられます。

子どもが関係する事件では家庭裁判所の調査官も事件に関わることが多いです。
この調査官が関係者の面接や交流場面観察,家庭訪問,学校訪問などの様々な調査を行うことがあり,そうなると必然的に手続はサクサクとは進みません。
また,裁判所には,少しでも早く解決させようという意欲はあまり感じられず,どちらかというと慎重に取り組もうとしているように思われます。

そのため,一方の(あるいは双方の)当事者の方が苛立ちを募らせていったり,徐々に疲弊してしまうことも時にはあります。
当事者にとっては,調停や審判という形で裁判所に事件が係属していること自体が「有事」であり,多大なストレスがかかるものです。それは端から見ていても痛感します。

要はメリハリであって,速やかに解決すべき(解決できる)事案は速やかに手続を進め,そうでない事件はじっくりと取り組むことが大切となってきます。
ただ,精神的に多大な負担となることは確かですので,いずれにせよ,漫然と回を重ねるのではなく,当事者双方も裁判所もそうですが,しっかりとした方針を立てて手続を進めていく努力や工夫は必要です。

弁護士 大川 浩介

 

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