DVの被害者は女性だけではありません~男性のDV被害~ 2016/1/15
ドメスティックバイオレンス(DV)というと,暴力を振るう方(加害者)が男性,暴力を受ける方(被害者)が女性という構図を思い浮かべる人が多いと思います。私が相談を受けたり,調停,裁判で取り扱うケースも被害者が女性であることが多いです。
しかし,男性がパートナーからDV被害を受けているケースも存在します。ケンカの際にパートナーから殴られたという単発的な暴力だけではなく,継続的に暴力を受け精神的に支配されてしまっているという深刻なケースもあります。内閣府男女共同参画局が3年ごとに行っている「男女間における暴力に関する調査」においてもDVの被害者となっている男性の存在が確認されています。
体力面ではまさっている男性であっても,包丁などの道具を使用されたり,寝ている最中に暴力を加えられたり,子どもを利用されたり,暴力から身を守ることは必ずしも容易ではありません。
また,男性被害者特有の問題として,被害についての周囲からの無理解というものがあります。
男性がDV被害を相談できる場所が少ない,相談したとしても被害の深刻さを理解してもらいにくいというのが実情です。
私自身も,調停の場で男性のDV被害について証拠を添えて説明しても,調停委員がその深刻さをなかなか理解できず苦労をしたという経験があります。
「DVの被害者が男性であることも特別なことではない」ことをもっと理解していく必要があると感じています。
バックナンバーはこちら>> |
The following two tabs change content below.
姉小路法律事務所
姉小路法律事務所は,離婚,慰謝料,相続・遺言などの家族関係・親族関係の紛争(家事事件)に力を入れている京都の法律事務所です。なかでも離婚・慰謝料事件は,年間300件以上の相談をお受けしており,弁護士代理人として常時数十件の案件を取り扱っております。弁護士に相談するのはハードルが高いとお考えの方も多いかもしれませんが、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。男性弁護士・女性弁護士の指名もお伺いできますのでお申し付けください。 |弁護士紹介はこちら