離婚後に必要な手続について-その3・健康保険,年金について- 2017/3/31

 

コラム129(圧縮)

今回は,離婚時,会社員である配偶者(夫であることが多い)の健康保険に加入していたような場合,離婚後にどのような手続が必要となるかを説明します。

妻は離婚により夫の被扶養者ではなくなるので,夫の健康保険から脱退することになります。
Ⅰ 仕事をしていない場合
その時点で,妻が仕事をしていない(あるいは仕事をしていても勤務先の健康保険に加入できない場合)は,妻は国民健康保険に加入します。

国民健康保険の加入手続は,住民票がある市町村の役所で行います。
加入手続の際には,夫の勤務先の健康保険が発行する「資格喪失証明書」が必要となりますので,離婚の際,夫の頼んでおきましょう。

子どもについては,離婚したからといって当然に夫の被扶養者でなくなるわけではありません。そのまま夫の被扶養者として夫の健康保険に入れておくか,夫の健康保険から脱退させるかを選択することになります。後者を選択した場合は,子についても夫の勤務先に「資格喪失証明書」を発行してもらい,国民健康保険への加入手続を行います。

年金については,厚生年金である夫の被扶養者(第3号被保険者)に入っていましたが,離婚後は,第1号被保険者として国民年金に加入することになります。
手続としては,住民票がある市町村の役所で「種別変更届」を提出します。

Ⅱ 仕事をしている場合
妻が仕事をしていて勤務先の健康保険に加入できる場合は勤務先の健康保険に加入することになります。
子どもも自分の被扶養者とする場合は,自分の勤務先の健康保険に加入させます。
年金は,夫の被扶養者(第3号被保険者)から第2号被保険者となります。

弁護士 辻 祥子

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