コロナと離婚-離婚の入り口に立たれた方へ- 2020/05/29
この2ヶ月,コロナウィルスの感染拡大防止の外出自粛のため家族が自宅で一緒にすごす時間が増えた結果,夫婦仲が悪くなり離婚にまで発展するケースが出てきたと言われています(いわゆる「コロナ離婚」というものですね)。
このコラムを読んでおられる方の中にも,コロナウィルスによる外出自粛生活の間に,離婚を決意した人,離婚を意識し始めたという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は,離婚の入り口に立たれた方に向けて,何を,どのように準備をしたらよいかをお伝えしたいと思います。
離婚後の生活を考える
まずは,離婚後にどのような生活をおくるかを考えることから始めます。
そこから離婚に向けて収集すべき情報や処理すべき問題が見えてきます。
もちろん,結果としては自分が思い描いた通りにはならないこともありますが,まずは自分の第一希望の内容で考えて下さい。
①どこに住むか
②子どもはどうするのか
③どのように生計をたてるか
④気持ちの整理
①どこに住むか
現在の自宅に住み続けたい場合は,財産分与として自宅を取得できるかを検討することになります。(財産分与)
自宅を出て新しく賃貸物件を借りようとする場合は,賃料を支払うことができるのか,すなわち離婚後の生活費の確保を検討することになります。→③
実家に帰るというのも選択肢の一つとなります
②子どもはどうするのか
子どもがいる場合は,子どもはどちらが育てるのか,養育費はいくらぐらいもらえる(支払う)のか,子どもと離れて暮らすことになる親と子どもとの面会交流はどうするのかを考えます。(親権,養育費,面会交流)
③どのように生計を立てるのか
これまで主に相手の収入によって生計を立てていた人は,離婚後,どのように生計を立てるかを考える必要があります。就職や転職を検討したり,どの程度の財産分与がもらえるのか,受け取ることができる養育費の金額を把握しておく必要があります。(財産分与,養育費,年金分割)
④気持ちの整理
慰謝料は請求できるのか,金額はどの程度になるのか(慰謝料)
このように,自分に必要な情報や処理すべき問題がある程度把握できれば,次は,情報収集をしていくことになります。
情報の収集方法としては,書籍,インターネット,専門家への相談などがあります。
一番手軽なのはインターネットで,最近は離婚に関する情報を掲載しているサイトが豊富です。ただ,インターネットの情報はあくまでも不特定多数に向けたものなので,基本的な知識は把握できますが,個別具体的なケースの青写真を描くには不十分なところがあり,自分のケースではどうなるのかが分からないこともあります。そのような場合には,弁護士などの専門家に相談をして,「自分だけの青写真」を手に入れることをおすすめします。
弁護士 辻 祥子
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