離婚後も婚姻姓を選択した後、旧姓(婚姻前の姓)に戻せるか? 2023/08/31

 

 

コラム232

今回は、離婚の相談時に質問が多い離婚後の姓について説明します。

 

まず、姓は法律上は「氏」と規定されているので、この説明でも氏とします。

 

離婚をすると戸籍から出る方(妻である場合が多い)は、原則として婚姻前の氏に戻ります。(民法767条第1項)

 

もっとも、婚姻時の氏を名乗りたい場合は、離婚後3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出すれば婚姻時の氏を選択することができます。(民法767条第2項)

 

(通常は離婚届の提出と同時にこの「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出し、いったん婚姻前の氏に戻ることなく婚姻時の氏で離婚後の戸籍を作成するパターンが多いです。)

 

では、このような方法で離婚後も婚姻時の氏を選択したけれど、その後婚姻前の氏に戻したくなった場合は、どうしたらよいのでしょうか?

 

例えば、仕事の都合で婚姻時の氏を使い続ける必要があり離婚の際に婚姻時の氏を選択したけれど、退職したので婚姻時の氏を使う必要がなくなり婚姻前の氏に戻したい場合などです。

 

このような場合は、裁判所に「氏の変更許可」を求め、裁判所の許可を得て婚姻前の氏に変更することができます。(戸籍法107条第1項)

 

裁判所の許可というと大袈裟に聞こえますが、このような事情で婚姻前の氏に変更するという場合は、裁判所はスムーズに許可を出します。

 

                                           

                                                 弁護士 辻 祥子

 

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