最も離婚が多い月は? 2017/3/21

 

コラム126(圧縮)

平成20年の統計ですが,厚生労働省の「離婚に関する統計」では,月別の離婚件数・割合が紹介されています。
12(月)で割ると形式的には月ごとに8.3%となるところ,やはり「3月の離婚」が最も多く,全体の10.3%を占めていました。
これまた納得できる数字ですが,未成年の子どもがいる離婚の方が3月の割合が10.9%とより多くなっています。
進学などの関係で年度内に離婚する必要性が高いことによると考えられます。
ただ,未成年の子どもがいる離婚でも,1月は8.1%,2月は8.3%と決して多くはなく,3月になって急に離婚が増えます。
ただ,その3月にしてもそれほど圧倒的に多いわけではなく,月ごとの離婚の多寡は結構フラットでした。

私が特に意外に思ったのは「12月の離婚」です。
12月が3月の次に有意な差で多いのではないかと感じていたのですが,8.5%と平凡な数字でした。
未成年の子どもがいる,いないによる違いもさしてなかったです。

調停離婚では,3月はもちろん多いのですが,12月もまた明らかに多いという感覚があります。
「年を越したくない。」という思いが協議よりも強いのかもしれません。
成立が難しいと思われるケースでも年末に向けて急展開して調停離婚や訴訟上の和解による離婚が急遽成立することが少なくないです。
もっとも,離婚の約9割は協議離婚ですので,調停離婚の月別の割合の影響は限られていると言えます。

このように,ひとつの節目となる,この3月や12月にいかに離婚を成立させるかがひとつのポイントになることがあります。
この時期を逸すると解決が長期化することが懸念されます。
この3月や12月は,何を大切に考えるか,何を諦めるか,どこまで譲歩するか,あるいは譲歩しないのか,彼我の思惑を考えながら,決断を迫られる時期でもあります。

弁護士 大川 浩介

 

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