離婚したら子どもの戸籍や「姓」はどうなる? 2016/1/22
離婚した場合の子どもの戸籍はどうなるかご存じでしょうか? 離婚相談を受けた際,離婚後は子どもの戸籍が親権者の戸籍に自動的に移動すると思っておられる方が結構いらっしゃいます。
しかし,離婚しただけでは,子どもの戸籍は移動しません。
例えば,夫が戸籍の筆頭者で,妻を親権者と定めて離婚するというケースでは,離婚届を提出すると妻は夫の戸籍から出ます(除籍)が,子どもはそのまま夫の戸籍に残り戸籍の事項欄に親権者が母である旨が記載されるだけです。
では,母親が子どもの親権者であるにもかかわらず,母と子は別々の戸籍のままになるのでしょうか?答えはNOです。裁判所の許可をもらえば子どもが母親の戸籍に移ることが出来ます(「子の氏の変更」民法791条)。
「子の氏の変更」は,子どもが15歳以上の場合は,子ども自身が,子どもが15歳未満の場合はその法定代理人である親権者が裁判所に許可申立をします。
文言上,家庭裁判所の「許可」が必要となっていますが,親が離婚をして親権者と別々の戸籍になっているというケースでは問題なく許可が出ます。許可が出るまでもスムーズで,京都家庭裁判所の場合,申立をしたその日のうちに許可が出ます(郵送申立の場合は別)。その裁判所の許可書をもって役所で手続をすれば,子を親権者の戸籍に移す手続は完了します。
また,離婚後の子どもの姓(名字)についての質問も多く受けます。
子どもが離婚前の筆頭者(父親であることが多い)の戸籍に残ったままの場合は,筆頭者と同じ姓,子どもが親権者の戸籍に移った場合は親権者と同じ姓になります。
例えば,夫が「鈴木」,離婚した妻が婚姻前の姓である「佐藤」に戻った場合,子どもが夫の戸籍に残っている場合は子どもの姓は「鈴木」,母親の戸籍に移った場合は「佐藤」となります。仮に,離婚後も母親が婚姻時の姓である「鈴木」を選択していたら,子どもは母親の戸籍に移った後も「鈴木」となります。
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