コラム 98 公正証書は離婚のマストアイテムか?

コラム 98  公正証書は離婚のマストアイテムか?  2016/11/22






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 「日経DUAL」というコミュニティ型の情報サイトに,エッセイストの紫原明子さんのインタビューが掲載されていました。
 18歳の時に起業家の男性(この度の東京都知事選に立候補するも落選)と結婚するも離婚し,現在は14歳と10歳のお子さんらと生活をしているという彼女が「賢い離婚の仕方」などについて語っていました。

 紫原さんは「公正証書をとるなど、養育費をちゃんと支払ってもらえる環境をつくって離婚したほうがいいと思います。」と語ります。
 このような言葉を目にすると,   

   やはり離婚するなら養育費の支払いを確保するために何が何でも公正証書を!

 と思い込んでしまいがちです。

 たしかに養育費の支払いについては,ちゃんと書面で約束した方がベターですが,公正証書にすれば,養育費の支払いが確保できるというものでもありません。
 公正証書にしておけば不払いがあれば直ちに強制執行できるというメリットがありますが,強制執行できる財産や収入がなければ(みえなければ),公正証書も単なる紙切れに堕してしまいます。

 ここは紫原さんもおっしゃっているように「ちゃんと支払ってもらえる環境」こそが大切なのであって,公正証書はその一手段にすぎず,時には全く機能しないツールでもあります。
 むしろ,いかにして自発的に支払わせるかこそが重要で,そのための環境なり仕掛けなりルールなりをつくることが大事です。

 しかし,このような手段と目的の関係を見失って,公正証書の作成にこだわるばかりに,不必要に関係を悪化させたり,無意味に離婚協議を長期化させてしまうケースが散見されますので,ご注意を。

弁護士 大川 浩介


 

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