コラム 73 面会交流を自治体が支援-明石市が試験的導入-

コラム 73 面会交流を自治体が支援-明石市が試験的導入-2016/8/26






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 兵庫県明石市が,離婚して別居する親子の面会を支援するために,「面会交流コーディネート」をこの9月から来年3月まで試験的に導入するそうです。
 明石市は,離婚後の子どもの支援に力を入れており,現在の市長である泉房穂さんが市長に就任した平成23年以降,子どもの養育専門相談の実施,離婚届配布時に養育費,面会交流に関する冊子や養育手帳の配布などいくつかの施策を実施しています。
 
 昨年,あるシンポジウムで泉さんの講演を聴く機会がありました。泉さんは元弁護士です。
 ご自身が弁護士時代にかかわった離婚事件を通して,離婚では当事者である夫婦だけでなくその子どもも大きく影響を受けるにもかかわらず,司法も行政も子どもに配慮するような仕組みになっていないことを痛感したそうです。明石市の上記のような施策には泉さんのこのような視点が背景にあります。
 
 明石市が試験的に実施する「面会交流コーディネート」は,親から依頼をうけた市民相談室の担当者が,もう一方の親に面会を打診し,両親と子どもの3者間で合意が得られた場合に引き合わせるというものです。面会の当日は,市の施設で親子を引き合わせ,市内で2~4時間程度の交流をしてもらうそうです。
 これまでも,公営社団法人やNPO法人など、何らかの形で面会交流をサポートする機関はありましたが,自治体がこのように面会交流を支援するのは初めてです。
 民間機関では,その性質上,支援を受けるためには一定の費用がかかりました。営利団体ではないので高額ではないのですが,親の経済状況によっては負担ができなかったり,費用を父母のどちらか負担するかで折り合いがつかなかったりすることもありました。また,面会の内容についての「合意」が既に成立していることが利用条件になっている場合もあり,一定のハードルがありました。

 私自身,面会交流には,交渉や調停,面会交流時の付き添いなどで関わっていますが,弁護士は,あくまでもいずれか一方の代理人にすぎず,また継続的に関わることも予定していない立場であるなど,行動できる内容は一定の範囲に限られてきます。

 明石市は,この試験的導入の結果をうけて本格導入するかどうかを決めるそうです。

弁護士 辻 祥 子


 

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