コラム 64 インターネット上の「慰謝料計算機」は使えるか?

コラム 64  インターネット上の「慰謝料計算機」は使えるか?   2016/7/12






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 最近,不貞行為の慰謝料に関するポータルサイトなどで,いくつかの項目に入力していくことで慰謝料額を算出してくれるサービスを時々みかけるようになりました。
 たしかにそれらしい項目が並んでいて,それらしい金額が算出されます。何ともそれらしいです。

 ただ,試しに実際のケースに即していろいろなサイトで入力してみると,ずいぶんと数字にばらつきがみられます。
 トップページで女性がやけに大きな電卓を手にしている,あるサイトでは,かなり高めの数字がはじき出されていました。

 項目をみてみると,どれも簡略化されていて,実務的には重要な項目が何かしら抜けていました。
 それ以外にも,項目化できないものとして,裁判官の個性も大きいです。
 同じ事件でも担当裁判官次第でかなり大きな「誤差」が生じるのが,この不貞行為の慰謝料額です。
 さらに,請求する側・される側の主張・立証のしかたで結果もずいぶんと異なってきます。
 これまで数多くの訴訟事件に携わってきましたので,一般的には,ある程度の幅を持たせてこの程度ではないかという見立ては,肌感覚でも可能です。
 しかし,実際に判決でどうなるかと問われると,担当裁判官や相手方代理人といった関数が更に影響してくるので,もっとアバウトな数字しか口にできないというのが本当のところです。

 したがって,結論としては,このたぐいの計算機は「使えない」というのが現実です。

 相談した弁護士が明快にピンポイントで慰謝料額を示してくれたら・・・。
 残念ながら,その弁護士もまた「使えない」ということになります。多分。

弁護士 大川 浩介


 

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