コラム 55 養育費は「ピザ」で??-イタリア,ピザ職人の場合-

コラム 55 養育費は「ピザ」で?? -イタリア,ピザ職人の場合- 2016/6/10






コラム55.jpg



 


 イタリアのある男性が,元妻との間で子どもの養育費を毎月300ユーロ支払う約束をしていました。しかし,男性には支払う金銭がないということで,食糧で支払うことを提案しました。この男性はピザ職人で,ピザなら現物で支給が可能だそうです。この提案を受け入れ難かった元妻は裁判所に訴えました。    
 養育費代わりにピザ…。冗談みたいですね。    

 ところが,パドヴァ地方裁判所は,金銭での支払いが困難であるという状況を認め,金銭がないのならば可能な方法で支払っても良いと食糧での養育費支払いを許可したそうです。  
 
 さて,日本では,このような現物支給の養育費は認められるのでしょうか?  
 民法で,養育費の支払を直接義務づけている条文はなく,養育費は,民法が定める扶養義務(民法877条)に基づくものだと解されています。そして,夫婦が離婚をする際には,子の看護に関する事項の一つとして養育費についても協議において定めることとされています(民法7766条)。  
 日本でも,当事者の協議で決める場合には,双方とも「現物支給でもOK」と合意していれば,現物支給でも問題ありません。例えば,子どもが成人するまでは元夫名義の家に元妻と子が住み続けるが,その間は養育費は支払わないというような場合は,一種の「現物支給」にあたります。  

 では,日本において,裁判所がこのような「現物支給」を内容とする決定をすることがあるのでしょうか?  
 養育親が「現物は不可」という意向を持っている場合には,やはり金銭に代えて現物支給を裁判所が認めることはないと思います。  
 しかしながら,養育親が「現物でもやむなし」と思っているような場合には,裁判所も養育費に準ずるものとして審判等で現物での支払いを決定する余地はあるのではないかと考えます。

弁護士 辻 祥 子


 

バックナンバーはこちら>>

 

Êk͎oH@ 075-253-0555

lbgł̑k\͂