コラム 46 離婚の危機から婚姻関係を修復するには?

コラム 46 離婚の危機から婚姻関係を修復するには?   2016/5/10






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 仕事柄,離婚を見届けることが多いのですが,なかには離婚の危機に陥ったものの,離婚を思いとどまり関係の修復に向かうケースに遭遇することもあります。
 そんな時,私は,何となくうれしい気持ちになります。

 弁護士や離婚カウンセラーのなかには,本人がまだ悩んでいるなかで「あたなは離婚した方がよい。」と断言して離婚を推し進めようとする人もいますが,離婚にも多かれ少なかれデメリットがあることは確かであり,人生における重大な決断として慎重を期すに越したことはありません。

 ただ,離婚の危機から脱することはむずかしい。それもまた確かです。

 調停には,離婚調停とは反対の「円満調停」というものも用意されていますが,特に他方が離婚調停を申し立てていて,実際に離婚意思を固めているような場合には,この円満調停はなかなか機能しないというのが実状です。
 「円満調停を申し立てていても,その方向では全く調整してもらえなかった。」という感想を抱く方も少なくありません。
 「調停を申し立てた以上,引き返せない」という面もあるようで,一般的には,離婚に向けて進み出した動きを押しとどめることは難しいです。

 ですので,調停に進むまでに,関係修復を図ることがポイントのひとつになります。

 そこでよくあるのが,双方または一方の親が仲裁に入る,というパターンです。

 しかし,これも難しいというのが実際のところです。
 仲裁者は中立性が強く求められますが,どうしても我が子の肩を持ちやすく,また,他方はそのように感じてしまいがちだからです。
 「まだふたりで話し合った方がよかった」というケースは少なくありません。

 共通の知人に一肌脱いでもらうということも考えられますが,これも中立性や適格性がネックになりがちです。

 そこで,夫婦でカウンセリングを受けてみることが最後の望みとして考えられます。
 カウンセラーがふたりの間に入って双方から話を聞いて関係修復を模索していくというもので,アメリカなどでは好んで利用されているようです。

 婚姻当初はコミュニケーションも豊富で,また相手に寛容でしたが,時を重ねていくうちにコミュニケーションの質が低下することがあります。
 例えるなら,元々はスムーズにかみ合っていたふたつの歯車が錆び付いてしまっている状態にあると言えそうです。
 カウンセラーが「潤滑油」となって,コミュニケーションの再生を図るというものです。

 ただ,日本ではこのような場面でカウンセリングを受けることはまだまだ一般的ではありません。
 そのため,カウンセリングを受けるという,決して低くない「ハードル」を乗り越える必要があります。
 まだ離婚を躊躇う気持ちがどちらにもほんの僅かでもあることが求められます。

弁護士 大川 浩介


 

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