離婚条件の話し合いのちょっとしたコツ-わかっちゃいるけど難しい- 2016/3/18

 

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ご本人同士が離婚協議をするにあたり,親権,養育費,財産分与等の条件の決め方について相談を受けることがあります。条件面についての法的な説明が一通り終わった後,相談者の方から「その他,うまく話し合いを進めるために気をつけた方がよいことはありますか?」と一般的な助言を求められることがあります。 そのような場合,私は「過去の話は極力蒸し返さないように。」と助言します。

夫婦で離婚条件を話し合う場面で,「喧嘩になって話し合いにならなかった」というのはよく耳にしますが,
一方が過去の話を持ち出し他方がそれに反論して口論に発展し話し合いどころではなくなったといったパターンが多いと思います。

喧嘩(口論)というのは,自分の考えを相手に分からせようとする行動の一端です。今後も夫婦を続けていくという2人ならば,過去の話をして口論となることもある程度意味はあるでしょう。しかし,既に離婚を決意している2人には「今後」はないのです。ケンカをしてまで自分の考えを分からせる必要性が乏しいのです。また,離婚を決意するまでに至っている関係性の2人が過去のことをああだこうだと言い合ったとしても,互いに相手の言い分を理解できるはずはなく,かえって相手との認識のズレや考え方の違いが浮き彫りになるだけです。

離婚原因が相手の不貞行為であるなど,相手に非がある場合には,条件についての話し合いでもついつい相手の過去の過ちを蒸し返して責めてしまいがちですが(気持ちは分かります),円滑に話し合いを進めるにはここはグッとガマンです。

弁護士 辻 祥 子

 

 

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