コラム 27 養育費不払いで拘留~中国の場合~

 

コラム 27 養育費不払いで拘留~中国の場合~ 2016/3/4




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 離婚により子どもを引き取った親が,元配偶者から養育費を受け取っている割合が約20%であるという新聞記事がありました。  
 
 離婚の際に私が関わった案件では,離婚後に「養育費が支払われなくなった」という知らせを受けることは稀ですが,世間一般ではまだまだ養育費の不払いは多いようです。離婚の際に養育費の支払いについての約束ができなかったり,単なる口約束だけで離婚後にうやむやにされてしまっている場合も多いようです。  
 
 養育費の支払いを確実にするために,養育費の支払いについては書面を取り交わしたり,公正証書を作成しておく必要性を強く感じます。公正証書を作成しておくと,養育費が支払われなくなった場合,公正証書を元に義務者の財産(給与,不動産等)を差し押さえる強制執行を申し立てることができます(調停離婚の場合の調停調書,裁判離婚の場合の判決書でも同様に強制執行の申立が可能です)。  
 
 もっとも,中には養育費の支払い義務者の勤務先が変わっていたりといった事情で強制執行が功を奏しない場合もあり,100%完全な対策というのは難しいのが現実です。  
 
 中国では,なんと,養育費の不払いを理由に裁判所が20日間の拘留処分を命じるということがあったそうです。  
 
 記事によると,子どもの養育費として妻に毎月1000元(1万7000円)を支払う約束で離婚をした男性が,離婚一年後から養育費の支払いを怠ったため,申立を受けた裁判所が,支払いを怠った前年分の養育費と子どもが18歳になるまで養育費の支払いを続けるように命じました。しかし,男性は「再婚して子どもができたので経済的余裕がない」と支払いをしようとしなかったため,最終的に裁判所が「法的義務の履行を拒否した」という理由で20日間の拘留処分を言い渡しました。男性は,拘留5日目に観念をして支払いに応じたそうです。  
 
 日本では,養育費の不払いを理由に身体拘束することはできませんが,養育費が支払われている割合の低さに鑑みると,強制執行が確実に行える方法や,強制執行以外の何らかの方策の必要性を感じます。

弁護士 辻 祥 子


 

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