コラム 102 子どものために離婚しない?子どものために離婚する?




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「子どものことを考えて私は離婚はしません」という言葉を耳にすることがあります。

「離婚は子どもらに不遇な思いをさせる,将来によくない影響を及ぼす」という考え方ですね。
たしかに,子どもらの多くは父母の離婚を望んでいません。
なかには「さっさと離婚してしまえば。」と言い放つクールな子どももいますが,どんなに仲が悪くても離婚はしないでいてほしいと思っている子どもの方が多いことでしょう(さきほどのクールな子もその内心はわかりません)。

もちろん,離婚に伴う様々な環境変化は子どもらにもダイレクトに影響を及ぼします。
時には俄に受けとめきれないほどの影響であることもあります。
ですので,子どもがいる場合には,そうでない場合よりも慎重に離婚すべきかどうかを判断すべきであることは当然です。

ただ,「離婚しないことが子どものためになるとは限らない」というのが私の実感です。
換言すると,離婚しないことがむしろ子どもらのためにならないケースがあることもまた事実です。

父母の諍いが絶えない,あるいは完全に冷え切っていて父母の会話がほとんどない,といった家庭で子どもらが成長することの影響は意外と深刻です。
父母の関係は,子どもが自らの結婚観や人間観などを形成するうえで重大なインパクトを与えます。
きわめて良くない人間関係を間近で継続的にみせつけてしまうことが子どもにどのような影響を及ぼすかを何よりも考える必要があります。

もっとも,子どもらの前では,仲良くとまでは言えずとも,せめて仲が悪くないように振る舞えるようであれば,「害悪」は限られているのかもしれませんが,そのような演技を続けることは容易ではありません。
社会的には「家庭内別居」でやり過ごすことができても,それでは,「家庭内」の子どもはまともに被害を受けることになります。
たとえ経済的に安定しても,たとえ対外的には幸せそうな家族であっても,互いの間に信頼関係や絆が完全に失われた父母のもとで暮らす子どもらはやはり不幸です。

最初の言葉からすると逆接のようになりますが,「子どものために離婚する」という考え方もひとつの視点として持つことが必要となります。
もちろん,離婚さえすればいいわけではありませんし,離婚によって種々の環境変化を受動的に受けてしまう子どもへのケアが重要になります。

弁護士 大川 浩介

 

 

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